【現役管理者が解説】看護師の夜勤、何してる?ICU・小児科のリアルな1日とスケジュール、乗り切るコツ

新人看護師の疑問

「看護師の夜勤って、実際どんなスケジュールで何をしてるの?」
「休憩や仮眠はちゃんと取れるの?病棟によって全然違うって本当?」

夜勤を控えた新人看護師さんや、日々の夜勤に奮闘する現役看護師さんの中には、そんな疑問や不安を抱えている方も少なくないでしょう。 夜勤の具体的なイメージが湧かないと、余計に緊張してしまいますよね。 「看護師の夜勤、時間が長いけど一体何時から何時までなの?」といった基本的なことから、具体的な業務内容まで、気になることは多いはずです。

さくと

こんにちは、現役看護師で副看護師長、そして毎年多くの新人さんのサポートをしている「さくと」です。
この記事では、看護師の夜勤の基本的な流れから、ICU、小児科といった病棟特性によるスケジュールの違い、具体的な仕事内容、そして夜勤を乗り切るための実践的なコツ、さらには休憩時間や勤務時間に関するリアルな疑問まで、僕自身の経験と多くの看護師を見てきた管理者の視点から、分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、夜勤への漠然とした不安が具体的なイメージに変わり、少しでも自信を持って、そしてより安全・確実に業務に臨むための一助となるはずです。

目次

看護師の夜勤、まずは基本の型を知ろう!~2交代制と3交代制のスケジュールと働き方~

看護師の夜勤には、主に「2交代制」と「3交代制」という2つの勤務形態があります。 病院や施設によって採用している勤務体制は異なりますが、まずはそれぞれの基本的な看護師 夜勤 スケジュールと働き方の特徴を理解しておきましょう。

【2交代制】16時間夜勤はどんな感じ?一般的なタイムスケジュールと主な業務内容

2交代制は、1日を日勤と夜勤の2つのシフトで分ける勤務形態です。 夜勤時間は一般的に約16時間(休憩時間を含む)と長時間になりますが、その分、夜勤明けの翌日が休みになるなど、まとまった休日が取りやすいというメリットがあります。 しかし、1回の勤務時間が長いため、体力的・精神的な負担が大きいと感じる人も少なくありません。 「なぜ看護師の夜勤はこんなに長時間なの?」という疑問の背景には、この2交代制の普及と、患者さんのケアを24時間継続して行うための人員配置の都合などがあります。

【2交代制・16時間夜勤の一般的なタイムスケジュール例】

  • 16:00~16:30 出勤・情報収集
    • 夜勤メンバーと合流、患者さんの状態や日中の出来事などを電子カルテなどから情報収集。
  • 16:30~17:00 申し送り
    • 日勤看護師から夜勤看護師へ、患者さんの状態や注意事項などを引き継ぎ。
  • 17:00~19:00 夕食関連業務・ラウンド・ケア
    • 配膳、食事介助、服薬管理。
    • 最初のラウンド(巡回)、バイタルサイン測定、必要なケアの実施。
    • 記録入力。
  • 19:00~21:00 消灯準備・就寝前のケア
    • トイレ誘導、排泄ケア、口腔ケア、寝衣交換など。
    • 眠前の薬剤投与。
    • 病室の環境整備、消灯準備。
  • 21:00~0:00 ラウンド・記録・随時ケア
    • 消灯後の定期的なラウンド、体位変換、おむつ交換。
    • ナースコール対応、不穏時対応。
    • 記録の整理、翌日の準備(点滴準備など)。
  • 0:00~6:00 仮眠・休憩(交代で)・ラウンド・記録
    • 夜勤メンバーと交代で2時間程度の仮眠時間を取るのが一般的(ただし、緊急時や業務量によっては短縮・取れないことも)。
    • 休憩に入らないメンバーは、引き続きラウンド、記録、ナースコール対応など。
  • 6:00~8:30 起床準備・朝のケア・最終ラウンド
    • 起床介助、洗面・更衣の手伝い、排泄ケア。
    • 朝のバイタルサイン測定、採血、血糖測定など。
    • 朝食の準備、食事介助、朝の薬剤投与。
    • 記録の最終確認、日勤看護師への申し送り準備。
  • 8:30~9:00 申し送り
    • 夜勤看護師から日勤看護師へ、夜間の患者さんの状態や出来事を引き継ぎ。
  • 9:00~9:30 残務整理・退勤
    • 記録の最終チェック、物品の片付けなどを行い退勤。

【3交代制】準夜勤・深夜勤の一般的なタイムスケジュールと主な業務内容

3交代制は、1日を日勤・準夜勤・深夜勤の3つのシフトで分ける勤務形態です。 1回の勤務時間は約8時間と2交代制に比べて短いですが、勤務間隔が短くなりがちで、生活リズムが不規則になりやすいというデメリットがあります。

【3交代制・準夜勤の一般的なタイムスケジュール例】

  • 16:00~16:30 出勤・情報収集
  • 16:30~17:00 申し送り(日勤から準夜勤へ)
  • 17:00~19:00 夕食関連業務・ラウンド・ケア
  • 19:00~21:00 消灯準備・就寝前のケア
  • 21:00~0:30 ラウンド・記録・随時ケア・休憩(交代で)
  • 0:30~1:00 申し送り(準夜勤から深夜勤へ)・退勤

【3交代制・深夜勤の一般的なタイムスケジュール例】

  • 0:00~0:30 出勤・情報収集
  • 0:30~1:00 申し送り(準夜勤から深夜勤へ)
  • 1:00~6:00 ラウンド・記録・随時ケア・休憩(交代で)
  • 6:00~8:30 起床準備・朝のケア・最終ラウンド
  • 8:30~9:00 申し送り(深夜勤から日勤へ)・退勤

夜勤業務で共通する重要ポイント

勤務形態に関わらず、夜勤業務を安全かつスムーズに進めるためには、以下の点が共通して重要です。

  • 質の高い情報収集: 患者さんの最新情報を的確に把握すること。
  • 正確で簡潔な申し送り: チームで情報を共有し、継続的なケアを提供すること。
  • 的確な記録: 法的な証拠となるだけでなく、多職種連携にも不可欠。
  • 患者さんの安全管理: 転倒・転落防止、ナースコールの迅速な対応など。
  • 的確な判断と迅速な報告・連絡・相談: 患者さんの状態変化への対応。

【体験談】ICUと小児科、夜勤スケジュールの実際と業務内容

ここまで基本的な夜勤の型をお伝えしましたが、実際の夜勤スケジュールや業務内容は、配属されている病棟の特性によって大きく異なります。 これはあくまで一般的な例であり、施設やその日の人員、患者さんの状態によって変動することは理解しておいてください。

さくと

ここでは僕自身の経験から、ICUと小児科の夜勤の実際をお話しします。

ICU夜勤のリアル:「さくと」が語る緊張感とタイムスケジュール、必須スキル

僕が現在行っているICU(集中治療室)の夜勤は、まさに1分1秒を争う緊張感との戦いです。 生命維持装置に繋がれた重篤な患者さんが多く、常にバイタルサインやモニターから目を離せません。

【ICU夜勤の主な特徴と業務】
  • 絶え間ないモニタリングとアセスメント
    患者さんの状態は刻々と変化するため、頻回なバイタルサインチェックやモニター監視は当たり前。わずかな変化も見逃さず、その意味をアセスメントし、即座に対応する能力が求められます。
  • 高度な医療機器の管理
    人工呼吸器、持続血液浄化装置(CRRT)、体外式膜型人工肺(ECMO)など、多種多様な生命維持装置の管理とトラブル対応。アラーム対応に追われることも少なくありません。 機械のトラブルが直接生命に影響する(例えば、人工心肺が詰まったり、重要なカテーテルが抜けてしまったり…)ため、実際に起こった際には一般病棟とは比べ物にならないほどおおごとになります。そうなった場合の対応手順はありますが、滅多に起こることでもないため、対応経験のあるスタッフがいないことも。すぐに医師や多職種の応援を呼び対応しますが、新人の頃にあのような場面を経験すると、「自分にはできない」と感じてしまうかもしれません。
  • 急変への即時対応と医師との密な連携
    予測できない急変が頻繁に起こり得ます。その際は、迅速な初期対応と、医師への的確な報告、そして指示に基づく高度な治療介助が不可欠です。 また、急変や緊急手術などでスタッフ複数名での対応が必要になると、他のスタッフはその対応に集中しなければなりません。サポートを受けている立場の時は、その間に自分はその場に残り、他の患者さんの異常がないかを見ておく役割を任されることが多いです。その際、他の患者さんのモニターのアラームが鳴ったりすると、すぐに相談できる人がいないため、非常に困った経験があります。「フォローの人がいなくなるのが不安」という声は、今の新人さんからもよく聞かれるので、多くの看護師が感じる不安かもしれません。
  • 鎮静・鎮痛管理とせん妄対策
    患者さんの苦痛緩和のための薬剤管理や、せん妄の予防・早期発見・対応も重要な看護ケアです。
  • 家族への精神的ケア
    重篤な状態にある患者さんのご家族は、大きな不安を抱えています。夜間でも緊急入院はよくあるため、状況説明や精神的なサポートを行う場面があります。
さくと

ICUの夜勤では、高いアセスメント能力、迅速な判断力、正確な技術、そして何よりも冷静さを保つ精神力が常に求められます。
タイムスケジュールはあってないようなもので、患者さんの状態に合わせて柔軟かつ臨機応変に対応していく必要があります。

小児科夜勤のリアル:「さくと」が語る特有のケアとスケジュール、保護者対応

次に、僕が経験した小児科の夜勤についてです。 大人の患者さんとは異なる、子ども特有の難しさと、そして大きなやりがいがありました。

【小児科夜勤の主な特徴と業務】
  • 子どものバイタルサインの特性と観察ポイント
    子どもは状態変化が早く、また言葉で症状をうまく伝えられないため、呼吸状態、顔色、機嫌、活気といった細かな観察が非常に重要です。
  • 急変への迅速な対応と呼吸器管理の難しさ
    子どもは急変の進行が早いことが多く、迅速な判断と対応が求められます。 僕が小児科で新人だった頃、夜勤で挿管中の赤ちゃんを受け持つことになった経験があります。まだ呼吸器の扱いに慣れていないこともあり、アラームが鳴った時にどう対応していいかわからず焦った記憶があります。その場を離れる訳にもいかず、幸いバイタルサインも安定していたので、ナースコールを鳴らし、先輩を呼んで対応してもらいました。そういったエピソードがあると、落ち込むこともありますが、「もっと頑張ろう」と思えるきっかけにもなります。僕が呼吸療法認定士の資格を取ろうと感じたのも、こういった出来事で困った経験が多かったからだと思います。
  • 年齢・発達段階に合わせたケア
    食事、排泄、清潔ケア、遊びなど、全てにおいて子どもの年齢や発達段階に合わせた関わり方が必要です。
  • 正確な薬剤投与の徹底
    子どもの薬剤は体重換算で微量が処方されることが多く、投与量の計算や準備、実施には細心の注意が必要です。
  • 保護者への精神的サポートと情報共有
    夜間、付き添いの保護者も不安や疲労を抱えています。子どもの状態を分かりやすく説明し、保護者の疑問や不安に耳を傾け、精神的なサポートを行うことも重要な役割です。 夜間、落ち着いている時間帯に、不安で眠れないお母さんの話をじっくり聞いたことがありました。その時、お母さんにとても感謝され、退院の時にはわざわざ僕に個別に感謝の言葉を伝えてくださり、看護師としての大きなやりがいを感じました。 (※男性看護師特有の配慮が必要な場面もありましたが、それはまた別の機会にお話しできればと思います。)
さくと

小児科の夜勤は、子どもの純粋さや回復力に力をもらえる一方で、言葉で訴えられない子どもの苦痛をどう察知しケアするか、そして常に保護者の視線があるという独特の緊張感がありました。

夜勤を賢く乗り切る!「さくと」流・夜勤中の具体的な過ごし方と集中力維持のコツ

夜勤のスケジュールや業務内容を理解した上で、次に大切なのは「夜勤中をどう賢く過ごし、どうやって集中力を維持するか」です。

さくと

僕が実践してきた、また管理者としてスタッフに伝えているコツをいくつか紹介します。

魔の時間帯(深夜~明け方)をどう乗り越える?効果的な眠気対策と安全なリフレッシュ法

夜勤中、特に深夜2時~明け方にかけては、強烈な眠気に襲われることがあります。僕が実践したことのある方法をお教えしますので、試してみてください!

  1. 軽いストレッチや体を動かす
  2. 冷たい水で顔を洗う・手を洗う(女性は難しいかもしれませんが…)
  3. 水分補給をこまめにする
  4. カフェインの戦略的摂取(タイミングと量に注意)
  5. 換気(可能であれば)
  6. ミント系のガムやタブレット

安全第一!集中力を切らさず、医療ミスを防ぐための業務の進め方

夜勤中は判断力や集中力が低下しやすいため、医療ミスを防ぐ工夫がより一層重要になります。

  • 業務の優先順位を常に明確にする
  • ダブルチェック・指差し呼称の徹底
  • 記録はこまめに、正確に
    記録を後回しにすると、眠気に襲われやすく、結果的に誤記や修正に時間がかかることがあります。仕事が早い人は、業務の合間にこまめに記録を済ませています。これは夜勤中に特に意識したいポイントです。
  • 集中力がある時に影響の大きい作業を行う
    「今は比較的冴えている」というタイミングで、薬剤のダブルチェックや作成など、ミスが患者さんに大きな影響を与える作業を済ませておくのが賢明です。
  • 基本的なミス防止策の徹底
    例えば、「1患者1トレイ1薬剤」の徹底や、僕が実践している「1V10mlの薬液のうち5mlを吸う場合には、10mlではなく5mlのシリンジを準備する」といった物理的な工夫も、ヒューマンエラーを防ぐのに有効です。

【超重要】夜勤中の仮眠・休憩のリアルと質を高める黄金ルール~「本当に寝れるの?」「寝れない時はどうする?」に答えます~

「看護師の夜勤は本当に寝れるんですか?」これは多くの方が抱く疑問でしょう。 仮眠や休憩は労働基準法で定められた権利であり、基本的には取れるはずです。 しかし、現実は病棟の忙しさや緊急度、人員体制によって、十分な時間を確保できる時もあれば、残念ながら短縮されたり、全く取れなかったりする日もあるのが実情です。

だからこそ、取れる時には質の高い仮眠・休憩をとることが非常に重要になります。

  • 短時間でも効果を上げる工夫
    たとえ15分~30分でも、目を閉じて脳を休ませるだけでも疲労回復効果があります。
  • 仮眠環境を整える
    静かで暗く、快適な温度の場所で。僕は仮眠室の壁が薄くモニター音などが気になるため、今は耳栓を愛用しています。ただし、完全に音を遮断すると起きられない可能性もあるので、遮音性能が高すぎるものは避けた方が良いかもしれません。また、スマートフォンのアラームはバイブレーションもONにした上で、自分の近くにセットするなど、ちゃんと起きられる対策は必須です。
  • 「寝れない…」と焦らない
    仮眠時間になっても緊張や興奮で寝付けないことも。そんな時は無理に寝ようとせず、横になってリラックスするだけでもOKです。一時期、「寝ないと」と意識しすぎるあまり、仮眠室が「眠れない場所」と体が覚えてしまい、全然眠れない夜勤が続いた時がありました。「眠れないならそれでいいや、夜勤明けでゆっくり寝よう」くらいの気持ちの方が、かえって眠れることがあります
  • 仮眠しない選択も(ただし注意が必要)
    スタッフの中には、16時間夜勤でも「仮眠はしない」という人もいます。仕事をしていると、急変やアラームが気になって眠れないのだそうです。そういう働き方に身体が順応するまでには時間がかかるかもしれませんし、これは自身の体調や生活習慣など様々な要素が絡むため、万人に推奨できるわけではありません
  • 他のスタッフとの協力体制
    休憩・仮眠は交代で取るのが基本です。お互いに声をかけあい、安心して休憩に入れるように協力し合うことが大切です。

夜勤中のスタッフ間のより詳細なコミュニケーション術については、▼以下の記事▼で詳しく解説していますので、ぜひそちらも参考にしてください。

【新人さんへ】初めての夜勤、スケジュール通りに動くための心構えと具体的な注意点

初めての夜勤は誰でも不安でいっぱいです。ここでは、新人看護師さんが夜勤を乗り切るための心構えと注意点をお伝えします。

まずは全体の流れを把握し、自分の役割と優先順位を理解することから始めよう

夜勤前に、その日の受け持ち患者さんの情報収集をしっかり行い、夜勤全体の業務の流れと、その中での自分の役割、そして「何を優先すべきか」を自分なりに整理しておくことが大切です。

「分からない」「判断に迷う」は当然!勇気をもって報告・連絡・相談を徹底する大切さ

新人さんが夜勤で一番やってはいけないのは、「分からないことを分からないままにしておくこと」「判断に迷ったまま独断で行動してしまうこと」です。 どんな些細なことでも、不安に感じたり、判断に迷ったりしたら、必ず先輩看護師に報告・連絡・相談しましょう。

先輩看護師の動きを見て学ぶ!「見て学ぶ」ポイントと質問のタイミング

夜勤中は、先輩看護師の動きをよく観察することも非常に勉強になります。 「なぜ今このケアをしているんだろう?」「どんな点に注意して観察しているんだろう?」と疑問を持ちながら見ることで、多くの学びが得られるはずです。 質問する際は、先輩が忙しい時間帯を避け、業務の合間などタイミングを見計らう配慮も大切です。

タイムプレッシャーに負けないための時間管理術(少しずつでOK、完璧を目指さない)

夜勤は時間との戦いでもあります。しかし、焦りは禁物。 最初から全ての業務を時間通りに完璧にこなそうとしなくても大丈夫です。 まずは一つ一つの業務を確実に、安全に行うことを最優先しましょう。

【Q&A】看護師の夜勤スケジュール・働き方、みんなの「?」に現役管理者が答えます!

ここでは、看護師の夜勤スケジュールや働き方に関して、皆さんからよく寄せられる疑問や、知恵袋などで見かけるリアルな声について、現役管理者としての視点も交えながらお答えします。

夜勤明けの次の出勤まで、どのくらいの休息時間が必要?(勤務間インターバルについて)

理想は、勤務終了後、次の勤務開始までに少なくとも11時間以上の休息時間(勤務間インターバル)を設けることです。これは看護師の健康と安全、医療の質確保に重要です。しかし、人員不足などから十分に確保されていない職場も残念ながら存在します。
※厚生労働省:勤務間インターバル制度について

夜勤の休憩時間、法律ではどうなっているの?実際はきちんと取れる?取れない場合は?

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要です。16時間夜勤なら少なくとも1時間です。多くの病院ではこれに加え仮眠時間が設定されています。 しかし、「ナースコール対応でほとんど休めなかった」という声も聞かれます。これは問題であり改善が必要です。休憩が取れない状況が続くなら、記録に残し師長や看護部に現状を伝え改善を求めましょう。
※第4章 労働時間、休憩及び休日

看護師の夜勤回数に上限はあるの?平均は?(72時間ルールなど)

夜勤回数自体の上限を直接定める法律はありませんが、過重労働を防ぐ観点から、日本看護協会は月8回以内、連続夜勤2回までを推奨しています※。また、時間外労働の上限規制も考慮されるべきです。 しかし、これも人員体制により推奨を超える場合があるのが現状です。管理者としては本当に頭を悩ませる部分です。特に、主婦の方は子どもの都合で夜勤が難しい方が多く、その分、独身の方などに負担が偏りがちです。ICUでは2:1配置を守る必要があり、結果として夜勤が多くなってしまうことも。独身者であっても勤務の選択はしたいし、夜勤がしんどいのは変わりません。主婦さんの事情も理解できますが、個人のプライベートにどこまで介入できるか難しく、お願いレベルになってしまうのが実情です。 せめて、夜勤翌日は必ず休みにする、2連休などゆっくり休めるシフトを作る、どうしても夜勤が多くなる場合は夜勤専従を本人と相談の上で検討する、といった対応を心がけています。
※入院基本料の通則 「看護職員の 月平均夜勤時間72時間要件」について

夜勤中にどうしても仮眠が取れない…そんな時、どう過ごすのがベスト?

まず焦らず、横になって目を閉じているだけでも身体は休まります。無理に寝ようとせずリラックスしましょう。本当に限界なら、他のスタッフに正直に伝え、短時間でも休息を取らせてもらうなどの協力を仰ぐべきです。

なぜ看護師の夜勤は16時間など長時間になることがあるの?

主に2交代制勤務が理由です。1日24時間を2チームでカバーするため、1回の勤務時間が長くなります。背景には人員確保の難しさや、3交代制より申し送り回数が減るメリットなどがあります。

夜勤はやっぱり身体にきつい?年齢と共にどう向き合えばいい?(体への影響と対策)

正直、夜勤は身体に負担の大きい働き方です。不規則な生活は自律神経の乱れや睡眠障害などを引き起こしやすいです。年齢を重ねると体力の回復が遅れたり、生活習慣病のリスクも考慮が必要です。 大切なのは日頃の体調管理と、無理をしないこと。僕自身、夜勤が多い方が給料も増えるため、以前は夜勤専従を希望していました。しかし、管理職になり夜勤が減ると、給料は下がりましたが、夜勤が無意識に体を蝕んでいたことを実感し、体が楽になりました。やはりできることなら夜勤は減らせるに越したことはありません。 ただ、看護師は夜勤をすることで給料が高いという側面もあるため、夜勤をしたい人には夜勤を、したくない人は日勤多めに、という個別調整ができると理想です。

夜勤中の看護師って、具体的にどんなことを考えて仕事してるの?

夜間という限られた状況下で、患者さんの安全を守り、穏やかに過ごせるよう援助することに大きな責任とやりがいを感じています。急変時にはチームで乗り越える達成感も。日中には見られない患者さんの素顔やご家族との深い関わりも夜勤ならでは。常に緊張感を持ち「何かを見逃していないか」「もっとできることはないか」と考え、患者さんの回復や「ありがとう」の言葉が一番の力になります。

様々な病棟の夜勤スケジュールは大きく異なりますか?(慢性期病棟などとの比較)

はい、大きく異なります。この記事で紹介したICUや小児科のような急性期・超急性期の病棟では、患者さんの状態変化が激しく、医療処置や緊急対応が多い傾向にあります。 一方、例えば慢性期病棟など、比較的状態の安定した患者さんが多い病棟では、夜間は計画的なケア(体位変換、排泄ケア、経管栄養など)や、患者さんの睡眠確保、精神的なケアに重点が置かれることが多いようです。もちろん、慢性期であっても急変のリスクは常にあり、油断はできませんが、業務の密度や時間の流れ方は異なると言えるでしょう。ご自身の働く、あるいは興味のある病棟の特性を理解することが大切です。

まとめ:夜勤スケジュールを理解し、自分らしい働き方で乗り切ろう!

看護師の夜勤スケジュールや業務内容は、勤務形態や病棟の特性によって本当に様々です。 しかし、どのような現場であっても、基本的な業務の流れと、そこで求められる看護師の役割、そして自分自身のコンディションを整えることの重要性は変わりません。

この記事で紹介した情報や「さくと」流のコツが、あなたの夜勤への理解を深め、不安を少しでも軽減し、日々の業務を乗り切るための一助となれば嬉しいです。 大切なのは、情報を鵜呑みにするのではなく、あなた自身の職場の状況や、あなた自身の心身の状態と照らし合わせながら、「自分に合ったやり方」を見つけ出し、試行錯誤しながら経験を積み重ねていくことです。

夜勤は決して楽な仕事ではありませんが、それ以上に多くの学びと成長、そして看護師としての大きなやりがいを与えてくれるものでもあります。 安全と健康を第一に、自信を持って夜勤に臨んでください。

さくと

次の記事では、多くの看護師さんが悩んでいる「夜勤明けの最高の過ごし方」について、疲労回復を最優先し、次の勤務にスッキリと臨むための具体的な秘訣を徹底解説します。
ぜひ、そちらも読んでみてください!

次の記事はこちら

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この記事を書いた人

さくとのアバター さくと 現役看護副師長&医療WEBライター

現役看護師で副看護師長をしているさくとです!
こども2人を育てながら、集中治療部門でバリバリ働いています。
これまでの看護師経験を活かし、後輩看護師の悩みを解決できるような情報発信を目指します。

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